血液は心臓から動脈を伝って体のすみずみまで流れ、静脈へ戻ります。心臓の帰り道である静脈の中の血液は重力に逆らって心臓へ、つまり下から上へ昇らなくてはなりません。脚の筋肉と静脈内にある弁(逆流防止弁)が血液の逆流を防いでいます。
しかし、立ち仕事・妊娠や出産といった、さまざまな理由で足の血液循環が悪くなると、弁が壊れたりうまく閉じなくなってしまうことがあります。弁が壊れると血液の逆流が起こり、正常に血液を心臓へ運ぶことができなくなってしまいます。この弁は一度壊れると二度と修復はしません。
足の付け根やひざ裏にある深部静脈との合流部分にある弁が壊れると、逆流した血液は足の下のほうに溜まります。その結果、血管は徐々に拡張し瘤のように見えるようになります。これが「下肢静脈瘤」です。
下肢静脈瘤の治療法には弾性ストッキングを使う圧迫療法、注射で静脈を固める硬化療法、そして手術療法の 3 つがあります。手術療法には血管内治療(ラジオ波)、ストリッピング手術と高位結紮術とがあります。当院では日帰り血管内治療(ラジオ波)手術を主に行なっております。
→ラジオ波治療と下肢静脈瘤レーザー治療 違いの比較についてもご覧ください
細い管(カテーテル)を下肢静脈瘤の原因となった静脈の中に入れて、内側から熱を加えてラジオ波で焼いてふさぐ手術です。焼いた静脈は術後に固く縮んでいき、治療後半年ほどで吸収されてなくなります。当初のレーザー治療では術後に痛みを伴うものもありますが、当院では2017年に最新型のラジオ波治療器を導入しました。大幅に低い温度で治療を行うので、傷口が小さく、術後の痛みも少なく体に優しい治療です。保険適用で日帰り手術が可能ですので、患者様のご負担も少ない静脈瘤治療です。
小さく皮膚を切り、そこからこぶになってしまった静脈内にワイヤーを通して静脈を引き抜く手術です。標準的な治療方法で、こぶになった血管そのものを取り除くため再発しにくい治療法です。
静脈を切らずに、固める手術です。静脈内に硬化剤という薬を注射し、さらに静脈瘤を圧迫しぺしゃんこにして静脈瘤を消してしまう治療法です。進行した静脈瘤には効果がみられないので、比較的細い静脈瘤に対して行われます。色素沈着や、皮膚壊死の可能性があり、再発しやすい治療法です。治療回数が多くなる場合もあります。
医療用弾性ストッキングや弾性包帯という伸縮性の強いもので脚を圧迫して、静脈のうっ血や逆流を防ぐ治療法です。安全な方法で、だるさや足がつるなどの症状は緩和されますが、その効果は履いている間だけであるため、これだけでは根治療法にはなりません。硬化療法や手術療法と一緒に行い、治療効果を高めます。
良性の病気ですので、症状がなければ治療をする必要はありません。しかし、自然に治ることはありません。潰瘍や湿疹ができたり、脚が重い・だるいといった症状が強いときには積極的な治療をおすすめします。
もちろんです。どのような手術をするかは、手術前に詳しく説明させていただきますが、その前後でも患者
さんご本人が納得がいくまで何度でも説明させていただだきます。
仕事の程度によりますが、あまり長期間休む必要はありません。血管内治療(ラジオ波治療)では、事務職程度であれば翌日から仕事に復帰できます。週末に治療を受けていただければ、余裕ができて尚良いと思います。術後について不安な点は、診察時に医師に遠慮なくご相談ください。
不安であれば当院の医師にご相談ください。妊娠中はおなかを圧迫しないタイプの医療用弾性ストッキング
の着用をおすすめしています。予防するために着用するのも良いでしょう。
お問合せ・診療予約/
0764-21-8855
あくまで、診察をしたうえで診療方針を決定いたします。 まずはご来院の上受診いただき、ご相談ください。
下肢静脈瘤手術件数 720 件(2020年3月31日現在)
ここでは手術のみの統計となっております。
土曜に診療・手術ができるとあって、富山県のみならず北陸全域や近隣各県から受診されています。
※ 3 割自己負担の健康保険の方の目安です。
日帰り手術ですので、入院ベッド代は不要です。
下肢静脈瘤血管内治療(片側) ・・・約65,000円
下肢静脈瘤ストリッピング手術(片側)・・・約60,000円
下肢静脈瘤硬化療法(片側)・・・約10,000円
もりクリニック 院長より
当院は、下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術(ラジオ波治療)の実施施設、実施医として認定されました。血管内焼灼術は、細い管(カテーテル)を下肢静脈瘤の原因となった静脈の中に挿入し内側から熱を加えて焼いてふさいでしまう治療です。手術の傷が小さく、日帰りで治療ができる体に負担が少ない方法です。当院ではラジオ波治療により日帰りで下肢静脈瘤の血管内焼灼術を行っています。従来から行っておりましたストリッピング手術・静脈瘤切除術とラジオ波治療でより安全でより低侵襲、そしてより確実な静脈瘤治療を提供させていただくことができると考えております。手術は、月・木・金・土の午前中に行っています(水・日・祝休み)。